様々な部門で培った、多角的な視点を活かして。

私の経歴は、社内でも少々、振り幅が大きいほうかもしれません。入社後まずは、ポリプロピレン発泡体を用いた自動車用内装天井の研究・開発に従事。入社6年目には営業部門に異動し、自動車向け製品の提案営業を担当。その3年後には再び工場に異動し、住宅用グラスウール断熱・吸音材の製品や工法などの研究・開発に携わることになりました。営業への異動が決まった時には少し驚きましたが、あまり抵抗はありませんでしたね。それまで研究・開発に携わっていたとはいえ、お客様先に出向いて仕様などを打ち合わせる機会も多く、そこまで大きく仕事が変わるという感覚がなかったのです。とはいえ、営業を経験したことで、私の中に新たな価値観が生まれました。工場にいた頃は「性能を良くするためならば、ある程度コストがかかるのは仕方ない」と考えがちだったのですが、営業目線で考えると、それではお客様満足につながらない。コストと性能のバランスのようなものを意識するようになり、視野が大きく広がりました。

若いグループリーダーとして、新しいキャリアを。

営業部門から研究・開発部門に戻ったタイミングで、主席(管理専門職)に昇格しました。グループリーダーが課長だとすると、主席は課長補佐のようなポジションになります。そして、その1年後にはグループリーダーに昇格。当時の私は30代で、研究・開発部門の他のグループリーダーに比べ若手でした。正直「自分に務まるのかな」という不安もありましたが、私より社歴の長いメンバーたちも「協力するよ」と声をかけてくれ、多くの人に支えられて、今があるのだと実感しています。グループリーダーの最大のミッションは、グループとしての目標を達成すること。新製品を立ち上げて利益を出すという数字的な目標や、安全管理(無災害)に関する目標などを達成するために、デイリーの行動目標を立てて、日々確実に遂行していくようメンバー一丸となって頑張っています。また、工場内のミーティングや各種委員会への出席、技術部全体の運営費用の管理や設備資産の管理なども重要な役割。今後は、技術はもちろんマネジメントスキルにも磨きをかけて、働きやすい環境づくりに力を注いでいきたいですね。

就活生の皆さんへ

どんなにキャリアを重ねても、後輩社員や若手社員から刺激を受ける場面というものは多々あります。例えば、皆さんの年代の方々はデジタルの知識が非常に豊富。むしろ私たち中堅社員が教えを請うこともあるほどです。私は学生時代に無機化学を専攻していましたが、入社してから有機化学やプレス成形を担当しました。専門知識はありませんでしたが、仕事や研究の進め方・考え方は同じであり、重要だと感じています。大学・大学院で学ばれた専攻にこだわらず、新たに挑戦する事も大切だと思います。